夫婦別姓選択制実現協議会

06 1月, 2006

男女共同参画局へ意見書提出

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内閣府男女共同参画局は、「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(女子差別撤廃条約)実施状況第6回報告書」に盛り込むべき事項について平成17年11月22日(火)~平成18年1月6日(金)まで「ご意見募集」を行いました。夫婦別姓選択制実現協議会は下記のような意見を提出いたしました。

(1)我が国の現状として盛り込むべき事項に関する意見

該当する箇所:女子差別撤廃条約は第16条(g):
 日本においては、夫婦は婚姻時に夫または妻の氏のどちらかを夫婦の氏としなければなりません(民法750条)。自ら進んで夫の氏を婚姻後の姓として選ぶ女性もいますが、夫に比べて社会的・経済的地位が相対的に低かったり、社会的・経済的地位が同等であったとしても親・親戚・職場など周囲の者からの強い抵抗に遭遇するなどして、やむを得ず自らの氏を諦める女性も少なくありません。後者のような女性は夫婦別姓で婚姻できるような民法改正を待望していますが、日本政府がいまだ民法改正を行わないために望まぬ改姓を強いられ、その数は増え続けています。女子差別撤廃条約は第16条(g)において、夫及び妻の同一の個人的権利(姓及び職業を選択する権利を含む)を規定していますが、そのような望まぬ改姓を強いられている女性は、この権利を享受できない状態にいます。
 この点に関し、一部の国会議員や一般国民の中に、戸籍姓は改姓し、旧姓をを通称使用すればよいではないかという声もあり、望まぬ改姓を強いられた女性の中には、婚姻前の旧姓の通称使用によって夫婦別姓の生活を営もうと試みる者も多くいます。しかし、所得や納税関係の書類、パスポートや免許証などの公的身分証明書等では通称使用は出来ないので、戸籍姓と通称姓の煩雑な使い分けによって日々消耗することとなり、結果的にそのような女性の社会的・経済的活動は大きく束縛されています。また、企業によっては旧姓の通称使用に対して好意的で、ある程度融通を利かせてもらえる場合も見られますが、逆に、通称使用を決して認めない企業もあり、後者の企業で通称使用を通そうとすると職場での嫌がらせや、解雇圧力を受けかねません。通称使用では問題が解決されないため、法改正が必要とされています。

該当する条項:女子差別撤廃条約第5条:
 日本では、明治時代から戦前・戦中まで、女性は本人の意志にかかわらず、戸主(通常は男性)の姓を名乗らなくてはならなかったという歴史があります。その時代、女性には参政権もなく、男性に比べて社会的地位は低く位置づけられていたことは言うまでもありません。「女性は男性の姓を名乗って当然」という固定観念は、そのような時代の制度の中で形成され、これがより古い世代を中心に日本人の間に根強く残ってきたものです。このような固定観念の存在が、今日において婚姻後も生まれながらの姓をそのまま名乗っていきたいと表明する女性に対し、周囲からの強い反発や嫌がらせを引き起こしていると考えられます。
 女子差別撤廃条約第5条は、「両性のいずれかの劣等性若しくは優越性の観念又は男女の定型化された役割に基づく偏見及び慣習その他あらゆる慣行の撤廃を実現するため、男女の社会的及び文化的な行動様式を修正する」目的のために適切な措置をとるよう政府に義務付けていますが、民法を改正し、選択的夫婦別姓制度を導入することは、日本においてまさにこの第5条の目的を達成するため必要な措置のひとつであると考えられます。
以上のことから、日本において「選択的夫婦別姓制度」を導入することは女子差別撤廃条約の目的を達成するために不可欠であると考えられるため、女子差別撤廃状況第6回報告書に「選択的夫婦別姓制度」を項目として盛り込むとともに、半年以内に「選択的夫婦別姓制度」を導入するよう日本政府に強く求めます。

(2)関連するNGO等の活動報告
 私たち夫婦別姓選択制実現協議会は、2001年の夏に結成された比較的新しい市民団体である。1996年に夫婦別姓選択制度を含む民法改正を求める法制審答申が出されたにもかかわらず、5年を経てもいっこうに改正がなされない状況に焦りを感じた者同士で集まり、民法改正のうち夫婦別姓選択制度を早期に実現してもらうよう、夫婦別姓選択制度導入というシングルイシューに絞って活動を開始した。
 私たちのこの5年間の活動の大きな柱は、①署名運動や広報活動(パンフレットの配布、HPによる呼びかけ等)を通じてこの問題に関し一般人の理解を深めること、②夫婦別姓選択制度がないため望まぬ改姓を強いられた人(大部分は女性)で入会を希望してきた者に対する情報提供と悩み相談、③そのような全国からの悩みの声を集め要望書等を作成し、議員に対し陳情を行うことであった。①については署名運動などを通じて、これまでこの問題にあまり関心がなかった一般の人からも応援の言葉をもらえるなどかなり成果はあった。②に関しても日々入会者は増えており、また、これまで周囲の無理解の中で孤軍奮闘していた女性たちの相談窓口として一定の機能を果たすようになってきている。③については、日本では野党提出法案では実現が難しいという現実があることから、与党議員を相談役に迎え、陳情や請願署名提出の窓口になってもらった。また、2002年には与党女性議員政策提言協議会の選択的夫婦別姓制度に関するプロジェクトチーム主催の院内集会に参列し、選択的夫婦別姓を望む者の声を代表して発言、2004年、2005年と続けて今度は司法書士女性会と院内集会を共同主催し、制度の早急な実現を議員に強くアピールした。
 このように私たちの団体は、夫婦別姓選択制度の実現のみを活動目標とし、積極的に活動を続けてきたのであるが、私たちのような市民団体が5年間も存続しているというこの事実そのものが、日本において女子差別撤廃条約第16条(g):夫及び妻の同一の個人的権利(姓及び職業を選択する権利を含む)、および第5条:「両性のいずれかの劣等性若しくは優越性の観念又は男女の定型化された役割に基づく偏見及び慣習その他あらゆる慣行の撤廃を実現するため、男女の社会的及び文化的な行動様式を修正する」目的のために適切な措置をとるということに関する進捗が停滞していることを物語っていると言えよう。

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別姓法制化を待ち望むみなさんへ

夫婦別姓を選択できるようになる制度ができるのを待ってるのに、何故できないの? そんな疑問を持つことありませんか?

夫婦別姓の制度を待っているけど、黙っていてもそのうちできるだろう・・・そんな風に考えていませんか?

黙っていても制度が自然にできることはありません。実際の法律を作るのは国会議員です。国会議員は国民の代表ですが、国会議員は国民からの要望や圧力がなければ動きません。

私たちは夫婦別姓制度の実現を本気で望んでいる人が集まって作った団体です。制度の実現のために私たちの声を国会議員に伝えようと精一杯頑張っています。

夫婦別姓制度の実現を望む方、私たちと一緒に法案実現のため努力してみませんか?

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