12 2月, 2007
法務省へ抗議文提出
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2007年1月に公表された内閣府によるアンケート調査の結果を受けての法務省の発言に対し、私たち協議会は抗議文を提出しました。以下、その抗議文ををご紹介します。
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法務省民事局長 寺田逸郎様
選択的夫婦別氏制度の早期法制化のお願い
私たち夫婦別姓選択制実現協議会は自民党の野田聖子議員を顧問にお迎えし、選択的夫婦別氏制度の早期実現を求めて集まった市民による団体です。私たちは一日も早い選択的夫婦別氏制度の導入を求めます。私たちはすでに十分待ちました。もうこれ以上待てません。
先日、内閣府による「家族の法制に関する世論調査」の結果が発表され、各全国紙は「夫婦別姓反対派が増え、賛否拮抗」といった見出しで報道しました。確かに「選択的夫婦別姓が可能になるように法改正をしても構わない」という質問項目に関しては、反対派が増え容認派が減りました。しかし前回に続き容認派の方が多く、また「通称容認派」を加えれば、全体の6割以上が容認派となります。
さらに、「改姓は仕事に関して不便を生ずることがあると思う」「別姓でも正式な夫婦と同じような生活をしていれば、正式な夫婦と変わらないと思う」「家族の姓が違っても家族の一体感には影響はない」「夫婦別姓は子供に影響はないと思う」等々、夫婦別姓賛成派の考え方を容認する割合が増えた項目も多くあります。全体的に見ると、選択的夫婦別氏容認派は決して極端な少数派ではなく、日本社会は選択的夫婦別氏制度を受け入れる土壌が安定して築かれつつあることがわかります。
それにもかかわらず、法務省民事局は「直ちに民法改正案を提出すべき状況にない」という見解だと新聞では報道されています。これは大変な驚きです。同調査によれば「別姓容認派」は36.6%おり、その中の20.9%が実際に別姓を「希望する」と回答しています。これは決して少なくない一定の数の国民(単純計算すると約918万人です)が、選択的夫婦別氏制度を必要としているという事実に他なりません。一体どういった数字が出れば「民法改正案を提出すべき状況」になるのでしょうか。「選択的」にもかかわらず国民全員の賛成が必要なのでしょうか。
法務省民事局がそのような見解だという報道に対し、選択的夫婦別氏制度の実現を何年も、十何年も、何十年も待ち続けている私たちが受けた衝撃及び失望感は計りきれません。当協議会の会員は様々な理由で選択的夫婦別氏制度の実現を心待ちにしています。長男長女の結婚でお互いの家名を継ぎたいケース、子連れ再婚で子供の姓を変えたくないケース、改姓により仕事上大変なマイナスを受けるケース、改姓すると夫婦で同姓同名になってしまうケース、改姓による自己喪失感で身体的にも異常が出てしまうケース等々、いろいろあります。しかし、皆共通しているのは、法的な結婚がしたいということです。きちんとした結婚をしてから出産したいということで、法改正するまで子供を持つことを我慢し続けているカップルが多くいます。どうか、子供を産ませて下さい。
法律婚を望む私たちの多くは、不本意ながら事実婚・内縁やペーパー離婚を強制されています。法務省は内縁や離婚の増加の方が好ましいと判断しているのでしょうか。選択的夫婦別氏制度の法制化を先延ばし続けるのは、どうかもうやめて下さい。私たちは日々大変苦しんでいます。希望を持って幸福な結婚が出来る日本社会にして下さい。法務省の一日も早い行動を強く要望します。
2007年2月 夫婦別姓選択制実現協議会
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