先日、とても面白い番組を見ました。 BBC WORLD NEWSの「21世紀最大の発明――世界を揺るがすアイディア」という番組です。 シリーズ第一話で、ノルウェーのクオータ制について紹介していました。
2002年2月、ガブリエルソン貿易産業相が、民間企業取締役の女性の割合を40%にする、と制定した法律です。当時、ノルウェーでのその割合は6%にすぎず、教育を受けている女性は増えているのに、70年前から変わっていないのは、「クレイジー」だということで、法制化に際し、誰にも事前相談せず、知り合いの新聞記者に記事書いてもらい、先に既成事実をつくったそうです。
彼は保守党の政治家で、貿易産業相という立場から、女性の割合を増やすことが理にかなった考え方だったと言います。大卒の女性の割合が5割以上(ユーロ圏で60%)なので、優秀な人材を集めようとすれば自然にそうなる、というわけです。
この法律が施行されて数年たち、効果についての分析も進められているそうですが、取締役の教育水準があがり、平均年齢が低くなったそうです。「高度な頭脳が集まり、革新的になった」というひとつの結論です。
社会心理学での研究も紹介されていて、男女混合グループは男性だけのグループに比べ、全員が議論に参加し、広い視野で客観的に包括的な議論、柔軟で発想豊かな議論をしていた、とありました。
また、ある投資会社会長は、投資の決定を下す大半が女性なので、組織の活性化や顧客とのよい関係を築くために、それが可能になるポジションに女性をおくべき、ただそれだけのこと、と述べていました。
その後スペインでも同様の法律が可決され(ただ、クオータに到達しなければ罰はなく勧告だけにとどまる)、ドイツでも検討されているそうです。
日本でもこんな考え方が早く浸透してきてほしいものです。