民主党は昨年、政策集で盛り込み、千葉景子法相も積極的に今月中の閣議決定を目指していた。だが、閣僚の亀井氏が反対姿勢を崩しておらず、法案提出さえ困難な情勢に置かれている。
反対論は「家族のきずなが壊れる」「日本の伝統的な家族像と異なる」などの意見に集約されよう。現行の家族と法のありようが定着しているというわけだ。
だが、主な国では、法律で夫婦同姓を強制しているのは日本だけだ。各国で家族のきずなが崩壊しているとはいえまい。国連の女性差別撤廃委員会も日本に改正を求めてもいる。
専門家によれば、歴史的にみても、江戸時代の武家は「別姓」で、明治初期にも政府は「夫婦別姓」としていた。「同姓」となったのは、明治民法後から百年余りにすぎない。
内閣府の世論調査では、六十代未満は「選択的別姓」について、「容認」が40%を超え、「反対」を上回っている。
今回の民法改正案には、相続の婚外子差別撤廃なども含まれている。前向きの議論をもっと進めてほしい。(抜粋)