夫婦別姓 法案出して幅広い議論を
社会の規範意識や帰属意識の低下が指摘される近年、家族の絆をより強く求めたい気持ちは分かる。しかし、一方に、夫婦同姓を義務づけた制度に不利益を感じている人たちがいるのも現実だ。
世論が二つに割れる制度だ。直ちに妥協点を見いだすのは難しいだろうが、現行制度に「別姓も可能」という選択肢を加えるだけと考えてはどうだろう。
たとえ賛成できなくても、社会や自分に迷惑が及ばない限り、その意見を尊重する。つまり、個人の多様な生き方を認め合う。そんな社会を私たちは目指してきたはずではなかったか。
司法判断とは別に、そんな視点からの国民的な議論が必要だ。そのためにも、改正法案の早期国会提出を求めたい。