遠婚時代:しあわせのかたち/7止 「結婚」のカタチ離れて
毎日新聞 2013年01月10日 東京朝刊
◇夫婦別姓制度に反対根強く
法制審議会は96年、夫婦が同姓・別姓を選べる選択的夫婦別姓制度導入を含む民法改正案を答申。これを機に事実婚をめぐる議論が高まった。法案提出までこぎつけたこともあったが、「家族の一体感を損なう」など反対も根強い。
内閣府が20歳以上の男女5000人に行った「家族の法制に関する世論調査」(06年)では、選択的夫婦別姓制度導入が「必要ない」は35%で、前回(01年)の29.9%を上回った。一方、「構わない」と答えたのは36.6%で、前回の42.1%から5.5ポイント減少。国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査(10年)によると、18〜34歳の未婚男性の73.5%、未婚女性の67.4%が「男女が一緒に暮らすなら結婚すべきだ」と答えた。
事実婚問題に詳しい立命館大法学部の二宮周平教授(家族法)は「女性の社会進出が進み子育てへの支援も手厚い国では事実婚も多い。日本では婚外子差別などの壁もあり、少数派の選択と捉えられがち。多くの人の無関心が多様な生き方が理解されにくい現状を生み出している」と指摘する。