そこが聞きたい:変わる家族の形と法律 榊原富士子氏
民法は夫婦同姓を義務付けています。しかし、先進国でそうした制度になっているのは日本だけです。結婚後も仕事を続ける女性が増え、別姓という選択肢を設ける必要性を強く感じます。通称を使用できる職場は増えましたが、運転免許証や銀行口座などは戸籍名でしか登録できません。二つの名前が混在し、煩わしさや不便を訴える人は多いのです。別姓を維持するため事実婚を選ぶカップルもいますが、夫婦の一方が死亡しても相手に相続権がないといった法的な不利益もあります。姓はアイデンティティーとの関わりも深く、戸籍上の名前が変わることで喪失感にさいなまれる方もいます。(抜粋)